妊娠中毒症

妊娠中,「太るな〜太るな〜」と言われて,妊婦健診と体重計に乗るのが憂鬱になることがあります。

食欲は日に日に増すし,体重も日に日に増すし,妊娠後期になるとまるで水を飲んでも太るような気持ちで過ごしていたのを思い出します。私などは「助産婦あるまじき体重増加・・」と言われないように,それこそ着ている服をできるだけ薄くして体重を測ったものです。

辛いなあ〜,でも,こればかりは譲れないんですね。

妊娠中毒症の怖いところは,お母さんと赤ちゃんの生命をうばうことがありうるということです。体中が腫れ上がって安静を保ちながら高血圧と頭痛に悩むお母さん,緊急の帝王切開術の可能性もあります。赤ちゃんの成長も悪く,それでなくても満期に達していませんから体重も小さく,生まれた赤ちゃんに申し訳ないと落ち込むお母さん,産後も高血圧や腎機能の後遺症に悩むお母さん。

お母さん達の後悔する姿を見ているからこそ,私たちは「太るな〜太るな〜,今なら,まだ間に合う」と健診のたびにお話しするんですよ〜。

太るだけが原因ではありませんが,誘因にはなりえるのです。

そこで妊娠中毒症について簡単に紹介しましょう。詳しいことは本などに書かれていますから,ポイントだけ・・。

☆原因☆

これは,はっきり言って原因不明です。医学的にはいろいろな原因と考えられるものが挙げられていますが,これを一つ一つ説明していっても小難しい専門用語ばかりで,私自身もチンプンカンプンなことがほとんど。

でも,治すには妊娠した状態を中断させること,つまりは赤ちゃんを経膣的に,あるいは手術で産むことなんです。

☆兆候☆

妊娠中毒症の三大症状は,高血圧・尿タンパク・浮腫(体重増加)です。

  軽症 重症
高血圧 血圧値140〜160/90〜110mmHg 血圧値160以上/90以上mmHg
尿タンパク    
浮腫(体重増加) 週に500g以上の体重増加  

治療は,安静・食事・場合によっては薬を使います。でも,薬を使うほどとなれば,入院が必要な状態です。そうなるまえに中毒症の予防・はやめの対応が大切なんです。

☆予防☆

では,中毒症にならないようにするにはどうしたらよいのか?これは,兆候があらわれたときの対応にもなりますので参考にされてください。

「太るな」と言われてダイエットするほど食事制限をする必要はありません。逆に,赤ちゃんやお母さんに必要な栄養分が与えられず悪影響を及ぼします。まずは,自分や家族の食生活を見直してみてください。濃い味付け,油っぽいおかず,野菜が少なく,ついついスナック菓子やジュースに手を伸ばしていませんか?「食べていない」という基準が,人によってはまったく食べていない場合と,以前に比べれば食べていない・・・というふうに違う場合もあります。

○3食きちんと食べる。これは,赤ちゃんが生まれてからの生活リズムにも影響します。おっぱいを出すためにも必要です。赤ちゃんの生活リズムはお母さんに大きく影響されますから,生まれてからはじめるのではなく,今から習慣づけることが大切です。

○間食をやめる,あるいは減らす。内容をカロリーの少ないものにする。例えば,ジュースをお茶や牛乳に,スナック菓子やケーキではなくて和菓子にする。

○薄味になれる。すでに食品に塩分が含まれていることが多いです。食材そのものの味を楽しむ。一般に言われる健康に良い食事を心がける。

○気分転換できるようにする。適度に運動する。でも,疲れすぎは禁物です。仕事をされているかたは,逆に家では疲労回復のために良く良く休むことも必要です。家で過ごされている方は,運動不足になったり,ついつい食べてしまったりすることもあるでしょう。散歩に出かけたり,サークルに参加してお母さん友達をつくったり,習い事をするのもいいですね。ストレスや疲労は,食欲増加の原因にもなりますから,適度に発散できるといいですね。

○妊娠初期・中期に体重を急激に増えないようにする。後期には,赤ちゃんも成長するし,お母さんの体もむくみやすくなるので努力しても増えてしまうことが多いのです。後期に入る前にすでにプラス10kgも超えていると,後が大変になります。

いかがでしょうか?

これだけをしていれば中毒症にはならない!と保証はできませんが(なにせ原因不明で突然現れることもあるので),できる限りの予防にはなります。知らなかったではすまされない問題でもあるので,ぜひぜひ,自分の体や今の妊娠した状況に関心を持って出産までの10ヶ月間を過ごしていきましょう。

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